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熊野川の達人

熊野で唯一の舟大工 谷上嘉一さん

谷上嘉一さん 川下りや御船祭りにも使われ、美しさと機能性で定評のある川舟を製作する谷上さんは、熊野で唯一の舟大工です。

谷上さんにとっての舟作り

「子供の頃、この辺(桧杖)には川沿いの道がまだなかったんで、生活の手段として各戸に2艘ぐらい川舟持ってたんです。

僕も子供の頃から舟には乗ってるんで知識は豊富にありましたから、自分でも作れるんじゃないかと思って始めたんですけど、今では伝統文化を遺していくという使命感がありますね。

しかし、舟用の釘も作る人がいなくなって全国探しましたし、舟作り教えるにしても、木を扱うことまでは出来る人でないと失敗すると板がだめになるし、自分で舟に乗る人でないと解らないことも多いし、いろいろむずかしいですね。」  

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熊野の川舟の特徴

1.熊野川は浅いところも多いので、棹をさす時の邪魔にならないように、先端が大きく上がっている。
2.急流でも転覆しないよう、舟底に斜めになった部分がある。
3.急流に錨を打った際に安定させるため、底の板を2、3センチ上げてある。

「ここの川舟は三百年ぐらい前の書物にはもう出てくるんですけど、僕が作り始めた三十年前頃はまだ7、8人舟大工さんもおりましたし、ずっと同じ形が伝わってます。

小さな部分では自分でも改良してますし、お客さんの使い方によって、例えば川下りの舟も少し幅を広くしたり、深くしたりして人数が乗れるようにしていますけれども、基本的には伝統的なここの川舟の形です。」