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熊野川の達人



塾長の谷上さん(左)と船頭をつとめる荘司さん(中央)と山崎さん(右)

 赤いサツキの花が熊野川両岸の岩間に咲いた平成19年5月22日、3月にスタートしたばかりの「熊野川体感塾」のツアーに同行させていただきました。ここでは塾長・谷上さん(熊野で唯一の舟大工でもある)がつくられた川舟「三反帆」での熊野川下り、熊野古道歩きにくわえて、竹細工など地元ならではの遊びを盛り込んだツアーを体感できます。題して「熊野川をまるごと体感」がキャッチフレーズです。

まずはイラストマップでコースの説明

ライフジャケットを着て、いざ出発

舟は風まかせにゆったりとすべるように進んでいく

晴れわたる空のもと絶好の風を受ける三反帆

雄大な熊野川の流れ、時間もゆっくり流れはじめる

 当日は日差しを熱く感じるほど晴れわたり、絶好の行楽日和。取材班2名を含めた10名の参加者は2艘の川舟に分かれて、かつて熊野詣に訪れた人たちがそうしたように川の参詣道「熊野川」を下ります。飛雪の滝が目の前を流れる紀宝町の浅里キャンプ場にて、谷上さんから2人の船頭さん(穏やかな語り口の庄司さんと山崎さん)の自己紹介があった後、いよいよ出発です。

水先案内をする谷上さん

途中で出会ったカヌーのみなさん、楽しそう

舟を降りて宣旨帰りへと向かう

後白河法皇からの宣旨を持った勅使も引き返したと言われる険しい道を楽しむ

「今日は順風なので三反帆がよく走りますよ。波をきるいい音がよく聞こえるでしょう」
 庄司さんのことばのとおり、帆は海から吹く風をしっかりと受け、音をたててたなびきながらぐんぐん進んでいきます。空いっぱいに響く鳥の声や川舟のきる波の音は穏やかな気持ちにさせてくれます。「比丘尼転び(びくにころび)」や「釣鐘石」など自然の創り出した奇岩に感動していると、船頭さんがそのいわれを語ってくれます。「当時は長い舟旅だったから、目に見える景色からイメージをふくらませて、たわいもない話をして楽しく時間を過ごしたのでしょう」
川舟の旅を少し休憩して、熊野権現が昼食をとったという昼嶋にのぼります。目の前には、かつて河口の新宮まで熊野川に木材を流して運んでいた時代、流れてくる木材をいったんせきとめて集めていたという浅里の綱場跡。川の参詣道としてだけでなく、熊野の人たちの生活の基盤でもあった熊野川のすがたを知ることができます。

再び舟に乗り今度は昼嶋へ

熊野権現がこの上で碁を楽しんだといわれる昼嶋

島上で荘司さんから植物などの解説を聞く

飛雪の滝を眺めながらの楽しい昼食

 お昼ごはんは、鮎のからあげ、タケノコとフキの煮物、めはり寿司など地産の食材を使った料理を手づくりの竹の器でいただきました。食後にはお箸づくりを体験。今回参加したみなさんは新宮出身が多く、「きょう川舟に乗ってみて、プロペラ船で高校へ通っていた頃を思い出した」と楽しいおしゃべりに花を咲かせていました。

鮎の唐揚げ、めはりずし、タケノコとフキの煮物など全て地元でとれた食材、竹のお皿も手作り

食事のあとは竹のお箸づくり体験、お土産も手作り

食後の運動に飛雪の滝の上流を散策、水量はやや少なめ

締めくくりにもう一度川下りして出発場所へ

 さておなかもいっぱいになったので、午後からは同じく紀宝町に流れる二ノ滝まで歩きます。山を少しのぼると、規則的に美しくならんだ田んぼの向こうに、ゆったりと流れる熊野川が見えます。二ノ滝を見た後は再び川舟に乗り、「畳石(たたみいし)」や「苞苴渕(おんべのふち)」などのいわれを聞きながら「乙基(おとも)の渡し」へ熊野川を下ります。
出発地点の船着場に戻ると、谷上さんとかわいらしい4匹のカモ(そこに住んでいるらしい)が川舟を迎えてくれました。プランの内容は希望に合わせて柔軟に対応してもらえるので、釣りがしたい、川えびとりがしたい、などもOKです。なにより、熊野川とともに生きてきたこの地域の人たちとのあたたかい交流によって、熊野川のほんとうの魅力がわかるはずです。熊野川体感塾、おすすめです。


【ご予約・お問い合せ先】
熊野川体感塾 TEL/FAX:0735-21-0314