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宿泊棟と小口川 熊野川の支流である赤木川沿いの道を上流に向かってしばらく進んでいくと、やがて赤木川は和田川と小口川に分かれます。その小口川の中州に「小口自然の家」があります。ここは中学校の廃校舎を利用した宿泊施設で、熊野古道の大雲取越え、小雲取越えの中間に位置していることから、古道歩きに訪れる人々が毎年数多く利用されています。
-西村さんは以前「川舟下り」のお仕事をされてましたが(その時に一度取材させていただきました)、こちらに移られたのはいつ頃ですか? 平成18年の4月からです。ここはもともと熊野川町立だったんですが、町が市に変わって指定管理者制度が導入され、財団法人熊野川ふれあい公社が管理をしているのですが、私はそこから頼まれました。 -施設の目的を教えて下さい。 私は小口自然の家の役割を、自然体験や宿泊体験などを通して、時代を担う子供たちの健全な育成を図るための支援を行う施設だと考えています。ここは個人の成長の場であり、自然と人との関わりを知る場であり、関わりを通して社会を学ぶ場であり、なにより楽しい場でありたいと。美しい野山や生き物がたくさんいる川で、家族や友だちと一緒に楽しく遊べば、子供たちは知らないうちに自然を理解して、さらに自分が自然や社会の一員だということを知るんじゃないかと思います。そうすると自然を守ることの大切さや、家族や友だちとの絆、社会とのつながりなど、いろいろなことを考え、学び、感じてもらえるじゃないでしょうか。そんな活動ができればと思っています。
-具体的にはどのような活動を行っていますでしょうか。 実は構想はいっぱいあるんですが、なかなか実現できてないんですよ。イベントとしては、滝巡りツアーとか竹細工体験とかアイデアはあるんですが。毎年実施しているものとしては、12月に広場にあるヒマラヤスギのジャンボツリーイルミネーションをやったり、8月には小口祭として目の前の小口川でのアユのつかみどりや盆踊り大会なんかを小口振興会議という組織のもとでやっています。それと今企画展として宿舎の廊下で化石の展示をやっています(※平成19年6月15日終了)。
実は私は赴任するまでこの小口自然の家に来たことがなかったんです。どんな施設かも知りませんでした。地元の方にもけっこうそういう方は多いんじゃないかなと思って、この施設のPRも兼ねて地元の人たちに地元のことをいろいろと知ってもらうためにこうした展示を行っています。前回は新宮の玉置庸祐さんが描かれた地域の風景えんぴつ画展をやりました。近所の子どもたちもいっぱい来てくれてなかなか好評でしたね。
-川を使った活動の構想はありますか? 見てのとおりここは川に囲まれていて一歩外に出ればすぐ川に行けますのでいろいろ体験してほしいですね。アユやウナギをとったり、それをみんなで料理して。ここらのアユは本流のよりずっとおいしいんですよ。あとズガニ(モクズガニ)の仕掛け漁なんかも体験させたい。夜仕掛けて朝起きて捕れてたら楽しいでしょう。それと親水広場も作りたいんですが草刈りが大変で、なんせ日頃は一人でやってるもんですから。
-それは大変ですね。 大変です。あまりに大変なんでなんとか草刈りを楽しくできないかなと思って、草刈りアートというのをちょっとやってみました。広場やキャンプ場なんかの草を刈るのに絵を描くんです、ヤタガラスとか。それをお客さんにも描いてもらって、大会とかできたら面白いと思うんですよ。
全国的にも珍しいんじゃないかな。まあいろいろとアイデアはあるんですができることからやっていきます。そうそうつい最近からですが、<比丘尼券>というのを作りました。ここに来られるお客さんはリピーターの方が多いんです。そうした方々は熊野や小口自然の家をいろんな方々に宣伝して下さると思うんです。熊野比丘尼も熊野信仰を全国に広め歩いたわけですから、お客さんもある意味熊野比丘尼ではないかと。それで比丘尼券という大それたネーミングの券を希望者の方にお配りし、3回宿泊された方には永久会員として、記念品や宿泊料金の割引を考えています。 -すごく面白いアイデアですね。これからも熊野比丘尼のみなさんが増えればいいですね。 はい、ここは自然が相手ですので、何度来ても違った体験や遊びができますし、新たな発見や出会いもたくさんあると思います。私も何度も来てもらえるようにいろいろと新しいアイデアを考えていきます。 -実現に向けてがんばって下さい。本日はありがとうございました。 |